2026.05.15
ジャカルタ滞在の夜。 27名もの実習生候補者と真っ向から向き合った大いなる面接が、無事に幕を閉じた。
すべてのスケジュールを終え、目の前に運ばれてきたのは、キンキンに冷えた地元の名物「ビンタンビール」だ。 グラスを傾け、喉に流し込んだ瞬間、文字通り五臓六腑に沁みわたる。これほどまでに旨いビールが、かつてあっただろうか。
この旨さは、大仕事を終えた達成感だけではない。心の底から湧き上がる「感謝」の味だ。 ステンレス鋳物屋の社長として、またハンドビームのオーナーとして理想を掲げてはいるが、私一人の力など微々たるものだ。協力会社の皆様、現地で動いてくれたスタッフ、そして何より、日本に行きたいと目を輝かせてくれた27名の若者たち。 彼らの存在がなければ、私は今、このジャカルタの地に立つことすらできていない。 「この感謝の気持ちは、言葉だけではなく、必ず会社の成長という『結果』と『行動』でお返しする」 ビールを飲み干しながら、私は胸の中で静かに、しかし強く誓った。
充実感に包まれる一方で、私の頭の中には「大いなる悩み」が渦巻いている。 求人という経営課題、そして伝統的な鋳物の価値をどう次世代へ伝えていくか。国境を越えて優秀な人材を迎え入れることは、会社にとって大きな「変革」だ。しかし、彼らの人生を背負うということは、それだけ重い責任を伴う。
「この選択は本当に正しいのか? 彼らを幸せにできるのか?」 じっと立ち止まれば、そんな不安や悩みが足元から這い上がってくる。私は人一倍臆病な男だから、悩みの深さは底が知れない。
だが、ジョジョの劇中で語られるように、真の「覚悟」とは、暗闇の中に進むべき道を切り開くことだ。 悩むからこそ、私は動く。立ち止まって不安に押しつぶされるくらいなら、悩みながらでもフルスロットルで行動し、自らの手で正解を創り出すしかないのだ。
ナシゴレンの上の目玉焼きを崩しながら、ローカルな屋台や異国のカルチャーを五感で吸収する。このカオスな熱量すべてが、福山ステンレスが次へ進むためのエネルギーになる。
大きな悩みを抱えながらも、それを遥かに上回る感謝と行動力で、私たちは変わる。 ジャカルタで掴んだ未来のピースを携え、まもなく私は福山へ帰る。
さあ、エネルギーは完全に満ちた。 昭和の床から令和の未来へ、国境を越えた変革の火蓋は切って落とされた。 福山ステンレス、明日からも止まることなく突き進むぞ!