2026.07.22

ステンレス鋳物を作っていると、時にはこうした良くない結果と向き合うこともあります。鋳物屋の中でよく使う言葉に「ガスを噛む」というものがあります。溶けたステンレスを砂型に流し込み、凝固させ、翌日に砂から取り出す。そして押湯という部分を切断すると、その断面にこうした小さな穴がぽつぽつと現れることがあるのです。
写真を見ていただくと分かる通り、まるで骨の隙間のように、無数の穴が広がっています。これがガス欠陥です。正直、この状態を見つけると気持ちが沈む瞬間でもあります。
こうなってしまうと、基本的に救済はしません。表面的には溶接で埋めることも技術的には可能ですが、その後の機械加工の工程で、内部に隠れていた巣が新たに出てくるリスクが非常に高いのです。見た目を整えても、根本的な品質までは保証できない。だからこそ、この素材は社内不良として判断し、市場には出しません。
もちろん、悔しさがないと言えば嘘になります。でも、鋳物の面白いところは、こうした素材でも溶かし直せば、もう一度良品として生まれ変わるチャンスがあるということです。一度失敗した素材が、再び形を変えてお客様のもとへ届けられる。ステンレス鋳物という仕事の奥深さを、こういう瞬間に改めて感じます。
気持ちを切り替えて、また良い鋳物づくりに集中していきます。