2026.04.30
激動の4月、最終日。 福岡、韓国、大阪を巡り、世界基準の視点を蓄え、昨日は社員たちとのBBQで絆を深めた。そんな濃密な一ヶ月の締めくくりに、私は現場でこの「山の幸」に出会った。
……いや、もちろん嘘だ。これは食べられない。

手に取ったこの「きのこ」のような物体。 これは、弊社で使用している鋳物砂「セラビーズ」で造型した中子(なかご)だ。
「この形のステンレス鋳物ができるの?」 そう思われるかもしれないが、正解はその逆だ。
鋳造が終わった後、ここには「この形の空間」が生まれる。 セラビーズは、その精密な空間を溶けた金属の猛威から守り抜くために、自らの身を固めているのだ。
我々鋳物屋は「形」を作る仕事だと思われがちだが、実はその本質は「精密な空間作り」にある。目に見える外側と同じ、あるいはそれ以上に、目に見えない内側の空間をどう守り、どう制御するか。
この砂のきのこは、いわば空間の守護者なのだ。
振り返れば、この4月はまさに「中子」を作るような一ヶ月だった。
事務所のリニューアル、備後地区鋳友会での新たな舵取り、そしてハンドビームの次なる戦略。これらはすべて、未来に「最高の結果」という形を残すための、目に見えない土台作り、空間作りだったと言える。
セラビーズが熱に耐え、形を維持するように。 私もまた、オーナーとして、副会長として、揺るぎない信念で組織の形を守り、価値ある「空間」を生み出す準備を整えてきた。
さあ、明日からは5月が始まる。 4月の間に精巧に作り上げた「空間」に、いよいよ情熱という名の溶融金属を流し込む時だ。
「きのこの山」に似たこの中子を見て、ふとそんなことを思った4月30日の昼下がり。 お遊びのようなビジュアルの中に、鋳物屋としての深い真理が隠れている。
4月、本当にお疲れ様でした。 黄金の精神は、この砂の壁の内側で、すでに沸騰し始めている。 5月、福山ステンレスはさらなる高みへ、そして未踏の領域へと突き進むぞ!