2025.12.28
12月28日、日曜日。 世間はいよいよ年末モード一色ですね。
今日は日曜日で、特に急ぎの仕事があったわけではありません。 でも、なんとなく「会社の空気を吸いたいな」と思い、ふらりと会社へ向かいました。 年末特有の、少し静かで澄んだ空気が漂う事務所。そこで少しぼんやりと過ごし、「さて、コーヒーでも飲もうか」と外の自販機へ向かった時のことです。
ふと、裏山の方から元気な声が聞こえてきました。
「おはようございます!」
空の方から降ってきたその声の主は、実習生の彼でした。 彼の方を見ると、黙々と作業をしています。散らばった落ち葉を丁寧に掃き集めていたのです。
実はこれ、彼らが自分たちで決めた「掃除のルール」。 でも、今日は日曜日です。 上司の目もなければ、監視するカメラがあるわけでもない。 「今日くらいはいいか」と休んだって、誰にもバレない状況です。
それなのに彼は、当たり前のように箒(ほうき)を動かしていました。 その姿を見た瞬間、思わず私は持っていたカメラでその背中を収めました。

社長として、これほど嬉しい瞬間はありません。 売上を上げることや、難しい技術を覚えることも素晴らしいですが、こうした「誰も見ていない場所での誠実さ」こそが、人としての本当の強さだと思うからです。
「自分たちで決めたことを、ちゃんと守る」
言葉にすれば簡単ですが、それを継続できる彼は本当に立派です。 冷たい風が吹く日曜日の朝でしたが、彼の行動のおかげで、胸の奥がじんわりと熱くなりました。
最高の年末のプレゼントをもらった気分です。 彼には後で、とびきりの労いと称賛の言葉をかけたいと思います。