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鋳物屋365日ブログ2025 ~その350~ 止まった電車と、染みる「かしわうどん」。佐賀の光に、故郷・福山の未来を叫ぶ。

2025.12.23

今朝は、黒崎駅からの移動で予期せぬスタートとなりました。

鹿児島本線での人身事故。 ダイヤは乱れ、移動のタイミングが大きく変わってしまいました。 駅のホームでは、携帯電話片手に慌ただしく状況説明をするサラリーマンの方々を多く見かけました。 そんな時こそ、経営者に必要なのは「不動心」と「ゆとり」です。 幸い、私のアポイントには十分なバッファ(ゆとり)がありました。 焦る周囲の喧騒の中で、「まあ、こういうこともあるさ。落ち着いていこう」と心の中で呟きながら、冷静に次の手を考えます。

トラブルが生んだ偶然の産物が、鳥栖駅での乗り換え時間でした。 ふと改札の方を見ると、小さなうどん屋さんから湯気が上がっています。

「かしわうどん」。どうやらここの名物のようです。 入ろうか、やめようか……いや、入ろう。 迷いは一瞬、気づけば甘辛く煮た鶏肉(かしわ)の旨味が溶け出した出汁を啜る私がいました。 予定外の場所で、予定外の温かさに触れる。 「これでいいのだ」 バカボンのパパではありませんが、トラブルさえも楽しむ余裕が、この一杯をさらに美味しくしてくれました。

そして夜、たどり着いた佐賀駅前で、私はある種の「敗北感」と「熱い期待」を抱くことになります。

見てください、このイルミネーションの本気度。 単に綺麗というだけではありません。 ここには、学校帰りの学生たちが集い、友と語らい、恋人たちが肩を寄せ合う「居場所」がしっかりと作られているのです。 行政が本気で「人が集まる空間」を作ろうとしている気概を感じます。

翻って、我が故郷・福山はどうだ? 駅前に、若者たちがこれほど目を輝かせて集まる場所があるだろうか? 佐賀県のこの取り組みは凄いです。 だからこそ、私は声を大にして言いたい。 「福山市よ、マジで頑張ってほしい!」 他所の街の輝きを見て、ただ綺麗だと感動するだけでは終われない。 悔しさと、愛する地元への叱咤激励が入り混じる、そんなクリスマスイブ前夜の佐賀駅前でした。

予定変更も、うどんも、この光も。 全ては、私に何かを気づかせるための必然だったのかもしれません。