2025.11.21
一週間のラストスパート、気持ちよく仕事を始めようとパソコンに向かった矢先のことです。

画面にポンと表示された、無機質なメッセージウィンドウ。 「サインインが必要です」 「アカウントに問題があります」
おそらく、システム的には出るべくして出ている真っ当な要望なのでしょう。 ですが、いつもと違う景色がいきなり目の前に現れると、人間というのは少し戸惑うものです。 そして、忙しい朝の私はこう思います。 「今は忙しいから、また後で」 そうやって、無意識に右上の「×(クローズボックス)」をクリックして、その声を閉じてしまいました。
パソコン相手なら、それで済みます。 単純に機械側の事情ですし、後で再起動すれば直るかもしれません。
しかし、ふと手を止めて考えました。 「もしもこれが、人だったらどうだろう?」
もし、目の前の部下や仲間が、いつもと違う表情で何かを訴えかけていたとしたら。 言葉には出さなくても、どこか調子が悪そうだったり、小さなSOS(サイン)を出していたとしたら。
私は、パソコンの画面を閉じるように、そのサインを「クローズボックス」で閉ざしてしまってはいないだろうか? 「今は忙しいから」と、見なかったことにしていないだろうか?
相手を「人」に変えて考えたとき、私の対応は決して「×ボタン」を押すことではないはずです。 「どうしたの?」と声をかけ、「サインイン(相手の心にアクセス)」して、話を聞くこと。 それが、人としてあるべき姿であり、本当の意味での「対応」なのだと思います。
機械のエラーは無視できても、人の心のサインは見逃してはいけない。 日常の中に紛れ込んでいる、ほんの些細な「変化」。 それに気づき、立ち止まって手を差し伸べられる人でありたい。
パソコンの冷たい画面が、逆説的に人の温かさと、大切にするべき「思いやり」を教えてくれた気がします。
さて、金曜日。 今日はいつもより少し丁寧に、周りの人の顔を見て仕事をしようと思います。 皆さんも、良い週末を。