2025.11.03
11月3日。 あれほど長く、僕の心を捉えて離さなかった裏山の整地工事が、ついに最終工程を迎えた。

アスファルトが敷かれ、ローラーが地を固めていく。 僕は、その全景が見渡せる工場の高台から、じっとその光景を見守っていた。 設計段階の苦労、市のルールというハードル、そして覚悟を決めた莫大な投資。 自分で決断して進めたこの一大プロジェクトだからこそ、この最後の瞬間まで、この目で見届ける責任がある。

そして、ついに工事は完了した。 つい昨日まで、あれほど毎日響き渡っていた重機の音が、今はもう聞こえない。 新しく生まれた黒いステージの上を、ただ、風の音だけが静かに吹き抜けていく。 この静寂が、一つの物語の終わりを告げ、少しだけ寂しくもある。
だが、それ以上に、この難工事を最初から最後まで完璧にやり遂げてくださった、すべての業者の方々へ、言葉では言い尽くせない感謝の気持ちで胸がいっぱいになった。 「本当に、ありがとうございました」 この素晴らしい土台は、あなた方の情熱と技術の結晶です。

しかし、この完成は、決してゴールではない。 僕は、すぐそばにある第三期生のための寮を見上げる。 そうだ、僕の仕事は、環境を整えること。社員という最高の戦士たちが、存分に力を発揮できる「ステージ」を作っていくことだ。
この大きな工事が終わり、一息つきたい節目かもしれない。 だが、いや、違う。 まだまだ、作らねばならないものは山積している。 この素晴らしい土台ができたからこそ、休んでいる暇などないのだ。
「気を抜くなよ」 青空と寮を見上げながら、自分自身にそう強く言い聞かせる。 ありがとう、素晴らしい土台よ。 さあ、俺はもう、次のステージへ行く。