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鋳物屋365日ブログ2025 ~その308~ 11月1日、月が微笑む夜。この土台の上に、次なる夢と責任を誓う

2025.11.01

11月1日。 カレンダーが新しい一枚をめくった朝、僕はいつもの通勤途中で、ふと空を見上げて目を奪われた。

灰色の雲と、青空と、眼下に広がる河口堰。そのコントラストがあまりに鮮やかで、まるで僕の心に「切り替えろ」と合図を送っているかのようだった。 そうだ、月が替わった。もっと会社をよくしなければならない。 朝の清々しい空気の中、頭に浮かぶのは、そんな少々「固い」決意だった。

会社に到着すると、その決意を試すかのような、静かな現実が待っていた。 僕がずっと見守ってきた、あの裏山の整地工事。ゴールが目前だというのに、今日は無情の雨で、工程調整となってしまったのだ。

「天候がうらめしい」 そう思わずにはいられない。なぜなら、僕の頭の中は、もう「次なる計画」のことでいっぱいだからだ。この素晴らしい土台の上に、どんな未来を築いていくのか。その為には、今すぐにでも綿密な打ち合わせが必要だというのに。

だが、この静かな雨音の中で、僕は一つの大切な真実を噛み締めていた。 この整地された美しい土台も、一度「上物」を建ててしまったら、二度とこの姿を見ることはできない。僕たちは、この土台があるからこそ、次へと進めるのだ。

この場所が完成に近づく今、僕は、この工事に携わってくださった業者の方々への感謝の念で胸が熱くなる。「本当に、ありがとう」。この場面は、僕は絶対に忘れない。

そして、夜。 その「次なるステップ」に向けた、決戦とも言える打ち合わせへと向かう。

僕の中にある「思い」を、いかに正確な「言葉」にして伝えるか。 それができなければ、現場は軸を失う。僕が、その軸にならなければならない。責任重大だ。 思いを言葉にすることは、本当に難しく、そして何よりも大切なことなのだ。

そんな重圧を抱えながら夜道を歩いていると、ふと、木々の隙間で光る月が、僕の目に飛び込んできた。 それはまるで、僕の覚悟を見透かした上で、「お前ならやれる」と、静かに微笑んでいるかのようだった。

朝の空に誓った決意。 雨が教えてくれた、土台(過去)への感謝。 そして、夜の月が後押ししてくれた、次なるステップ(未来)への責任。

11月1日は、僕にそのすべてを叩き込んできた。 よし、行こう。この揺るぎない土台の上で、最高の未来を築き上げるために。僕の向上心は、今、この瞬間も燃えている。