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鋳物屋365日ブログ2025 ~その302~ 宝箱の主役へ。日曜の夜、君の門出に捧げる焼肉

2025.10.26

あの熱く、濃密だった京都の旅から戻った日曜日。 今日のこの食卓には、いつもの週末とは違う、特別な意味が込められていた。一人の大切な人間が、明日から新しい生活のスタートラインに立つのだ。

生活のリズムが変わり、戸惑うことも、大変なこともきっとあるだろう。 そんなあなたへのはなむけとして、今夜は焼肉で景気づけだ。

まずはサイドメニューから攻めよう。 美しい器の上で、鮮やかなオレンジ色の黄身が、まるで未来の希望のように輝いている。僕は、君(黄身)を見つめる。そして、そっと箸を入れる。「頑張れよ」。その思いを、この一皿に、僕の全ての願いと共に混ぜ込んでいく。

そして、いよいよ主役の登場だ。 演出とは、かくも人の心を高ぶらせるものか。重厚な宝箱が、静かに開かれる。

そこに鎮座していたのは、息をのむほど美しい「主役」たち。 これは、まさに彼自身だ。誰もが、素晴らしい可能性という名の「宝」を持って生まれてきている。だが、どれほど素晴らしい主役(素材)であろうと、この先の歩み(焼き方)次第で、その成果(味わい)は劇的に変わってしまう。

僕は、万感の願いを込めて、その主役を熱い網の上へと置いた。

「じゅぅぅ………」

最高の音が、響き渡る。 自分の可能性を、心の底から信じてほしい。 何かのせい(他責)にせず、ただひたむきに、自分自身を磨き続けてほしい。

旅が終わり、また新しい日常が始まる。そして、新しい生活を始める君がいる。 少しだけセンチメンタルな寂しさを感じる日曜日の夜。だが、この熱い鉄板と肉がくれるエネルギーが、僕らの背中を強く、強く押してくれる。 さあ、明日からも、それぞれの場所で最高の音を奏でようじゃないか。