2025.10.20
新しい一週間の始まりが、これほどまでに胸を高鳴らせるものだっただろうか。10月20日、月曜日。僕が今立っているのは、いつもの福山ではなく、古都・京都。大切な協力会社様を訪ねる、特別な一日の始まりだ。
待ち合わせ場所に指定されたのは、堂々たる威厳を放つ「南座」。 その歴史ある建物の前に立つ僕の横を、まるで川の流れのように、絶え間なく人々が通り過ぎていく。そして、気づかされる。耳に飛び込んでくる会話の、なんと多いことか。そのほとんどが、海外からのお客様たちだ。
インバウンドという言葉が、これほどまでにリアルな肌感覚で迫ってきたことはない。彼らの楽しげな表情を見ていると、日本人として、不思議と誇らしい気持ちが湧き上がってくる。「数ある国の中から、この京都を選んでくれてありがとう」。そんな感謝の念が、自然と心に灯った。
そして、今宵の舞台。 夜の打ち合わせを兼ねた会食の場所へ。僕の期待は、すでにはち切れんばかりに膨らんでいた。
そのお店「りゅう庵」は、いつも最高のおもてなしで僕たちを迎えてくれる、とっておきの場所だ。この粋な計らいに、心からの感謝が込み上げる。京都という街が持つ独特の雰囲気は、僕たち日本人が忘れかけていた「古き良き日本の心」を、そっと思い出させてくれる力がある。
さあ、今夜はどんな素晴らしい時間が待っているのか。楽しみが、もう止まらない。
熱い議論と、美味しい料理。 宴もたけなわ、僕の目の前に、ジュウジュウと音を立てる石焼きの椀が運ばれてきた。 スプーンを握りしめ、熱せられた椀のフチに白米をぐっと押し付ける。香ばしい匂いと共に、「おこげ」が生まれる瞬間だ。
その時、僕は、この行為と自分の心が完全にシンクロするのを感じていた。
今、僕の胸は、このプロジェクトへの情熱で、この石の椀と同じくらいに熱く焦げ付いている。このお米の一粒一粒が、僕の溢れる思いだ。それを成功という名の「おこげ」にするために、僕は今、全神経を集中させているのだ。
高鳴る気持ちと同時に、ぐう、とお腹も鳴る。 情熱も、食欲も、どちらも僕を突き動かす、最高に正直なエネルギーだ。
素晴らしい協力者と、最高の場所で、未来を語る。 こんなにも熱く、美味しく、ワクワクする夜が他にあるだろうか。京都の夜は、僕の情熱に、さらに熱く火をつけてくれた。