2025.10.15
終わりは、始まりのための助走にすぎない。 今日、僕の心を支配していたのは、そんな確信に満ちた、どこまでも前向きな高揚感だった。何かを成し遂げた後の感傷に浸る暇はない。なぜなら、もう次なるステージが、僕を待っているのがはっきりと見えるからだ。
会社の裏山整地工事に、確かなゴールの光が見えてきた。 あれほど心を奪われた積み石の壁、そして地面を平らにしていく地ならしの工程。一つの壮大な物語が終わろうとしている。だが、僕の心に寂しさはない。「よくやった」という達成感と共に、沸き上がってくるのは「さあ、次はなんだ?」という、未来への尽きない好奇心だ。
人間は、なぜ終わるとわかっているのに、また何かを始めてしまうのか。 その答えは、あまりにもシンプルだ。目の前に、心躍る「次なるステージ」が待っているからに他ならない!
この揺るぎない確信を、僕に与えてくれる源泉がある。 それは意外にも、今日の昼に食べた、この一皿にあった。
僕のランチの鉄板メニュー、鯖の塩焼きだ。 ただの昼食だと侮ってはいけない。僕にとってこれは、精神を研ぎ澄ますための、神聖な儀式なのだ。
箸を持ち、香ばしく焼かれた鯖と静かに対峙する。すると、周囲の喧騒がすっと消え、僕と鯖だけの世界になる。全ての神経をこの一匹に集中させる。その研ぎ澄まされた感覚は、鯖から箸先へ、そして僕の口内へと、一直線に駆け巡る。
そして、旨味が舌の上で花開いた、その瞬間。 まるで天からの啓示のように、心の奥底から声が響くのだ。 「俺ならやれる。きっと大丈夫だ」と。
この絶対的な自己肯定感。これこそが、僕を次のステージへと突き動かす、最強の燃料なのだ。もし君が何かに迷ったり、自信を失いそうになったりしたら、ぜひ試してみてほしい。ただ黙って、鯖の塩焼きと向き合うことを。
さあ、充電は完了した。 心の準備も、現場の準備も整いつつある。 行こう。次なるステージが、もう僕を待っている。