2025.10.13
新しい週の始まりは、新しい物語のプロローグだ。今日、僕たちの会社の歴史に、また新たな一ページを刻むためのプロジェクトが静かに幕を開けた。舞台は、多治米町に見つけた一軒家。来年の春、海を越えてやってくる第三期実習生たちのための、新しい寮となる場所だ。
まだ誰もいないこの家を見上げながら、僕は来たる春に思いを馳せる。ここでどんな笑顔が生まれ、どんな夢が語られるのだろう。この中古物件の購入とリフォームは、単なる設備投資ではない。遠い故郷を離れ、日本で技術を学ぼうと決意してくれた若者たちを、家族として迎え入れるための大切な準備であり、私たちの未来そのものへの投資なのだ。
僕がなぜ、これほど確信を持って未来への投資を続けられるのか。
その答えは、今まさにこの日本で、ひたむきに頑張ってくれている実習生たちの姿にある。今日はその確信を胸に、彼らが暮らす箕沖工場の寮を訪れた。
寮に足を踏み入れて、まず感心させられるのが、この整然とした廊下だ。僕が日頃から「綺麗を保つことは大切なことだ」と伝えているのを、彼らは見事に実践してくれている。乱れのない空間は、乱れのない心の表れ。日々の暮らしを丁寧に送るその姿勢が、仕事の質の高さに直結していることを、僕は知っている。
特に、このトイレを見た時、僕は胸が熱くなるほどの感謝の気持ちでいっぱいになった。隅々まで磨き上げられた、際立つほどの白さ。これはもう、単なる掃除ではない。自分たちが使う場所を大切にするという、彼らの誠実な人柄そのものだ。「いつも綺麗に使ってくれて、本当にありがとう」。その一言に、万感の思いがこもる。
最後に、少し照れ臭そうに、でも実直な笑顔で写真に納まってくれたみんなへ。
君たちの夢は、なんだい?きっと、ここでしっかりと仕事を覚えて活躍し、遠い国の家族をその手で幸せにすることだろう。素晴らしい夢だ。その夢を叶えるために、僕は社長として、いや、一人の人生の先輩として、君たち一人ひとりとしっかり関わっていくと約束する。
だから、一緒に頑張ろう。
この新しい寮も、君たち先輩が示してくれた素晴らしい手本があるからこそ、安心して準備できるんだ。この場所から、また新しい未来が、たくさんの笑顔が生まれていく。その日を、僕は今から心待ちにしている。