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鋳物屋365日ブログ2025 ~その263~ 旅の証と、空の粒子 — 集める喜び、見上げる心

2025.09.17

刺激的だった東京出張が終わり、僕はまたいつもの日常へと戻ってきました。旅という非日常の時間は、心に多くのものを残してくれます。それは、具体的な「証」として手元に残る宝物であったり、見慣れた景色の中に新たな発見をもたらす、心のレンズであったりします。

今回の出張で僕が持ち帰ってきた、何より嬉しい戦利品。それは、ライフワークの一つである「日本100名城」のスタンプラリーに、新たに二つの印が加わったことです。出張の合間を縫って訪れた、鉢形城と川越城。一つ、また一つと、着実にコレクションが増えていく喜びは、何物にも代えがたいものがあります。一つ一つの積み重ねが、やがて大きな達成感に繋がる。このスタンプ帳は、僕が歩んできた道のりを証明してくれる、大切な相棒なのです。最近では、スタンプを押す行為そのものにも磨きがかかってきた気がします。かすれず、曲がらず、完璧な位置に「ドン!」と押せた時の快感。我ながら、そろそろ「スタンプ押名人」を名乗っても良いかもしれませんね。

旅の証を眺めて満足感に浸った後、ふと会社の外へ出て空を見上げると、そこには圧倒的なエネルギーに満ちた雲が広がっていました。モクモクと、まるで生き物のように湧き上がる巨大な雲の塊。その壮大な光景を前に、僕はただ無心で空を観察します。そして、ただ眺めるだけでなく、その雲を構成しているであろう、目には見えない粒子の一粒一粒を見極めるかのように、じっと目をこらしてみました。巨大な雲も、元を辿れば小さな水滴の集合体。その一つ一つが集まって、これほどまでにダイナミックな景色を創り出している。そう思うと、自分のスタンプ集めも、この雲も、どこか似ている気がしました。

一つ一つの城を巡る地道な一歩。そして、一つ一つの粒子が集まって生まれる壮大な雲。今回の出張は、そんな大小様々な「積み重ね」の尊さを、改めて教えてくれた旅だったのかもしれません。手元のスタンプ帳の喜びと、頭上に広がる空の雄大さ。二つの感動を胸に、また明日から、僕自身の日常という一歩を積み重ねていこうと思います。