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鋳物屋365日ブログ2025 ~その259~ 地道な一歩が景色を変える — プロの技と、僕の宿題

2025.09.13

物事が大きく動くとき、その裏には必ず、地道で着実な一歩の積み重ねがあります。それは、巨大な重機が大地を削る音の中にも、静かな休日のオフィスで麺をすする音の中にも、等しく存在する真実なのかもしれません。今日は、そんな二つの「仕事」の姿に、深く心を動かされた一日でした。

会社の裏山では、整地工事が着々と進んでいます。その中でも、私の心を掴んで離さないのが、一台の重機が描き出す光景です。巨大なアームとしなやかなバケットを巧みに操り、無骨な山肌をまるでバターのように、設計図通り寸分違わぬ精度で削り取っていく。それは単なる力仕事ではありません。長年の経験と研ぎ澄まされた感覚を持つ者だけが成し得る、まさに「プロの技」。大地をキャンバスにした、壮大なアートを見ているかのようです。昨日までとは違う今日の景色、今日とは違う明日の景色。その変化を毎日目の当たりにできることが、今の私の密かな楽しみになっています。

一方、そのプロの仕事を横目に、私は静かな事務所で一人、休日出勤の時間を過ごしていました。長らく取り組んできた、大きな「宿題」。その終わりなきと思われた道のりにも、ようやく確かな光が見えてきたところです。昼食に選んだのは、日清焼そばU.F.O.。お湯を注ぎ、湯切りをし、濃厚ソースを絡める。その慣れた手順をこなしながら、私はこれまでの道のりを噛み締めていました。立ち止まりそうになった日、頭を抱えた夜。それら全てを乗り越え、「やっとここまで辿り着いたぞ」という万感の思い。その思いを、もちもちの麺の一本一本と共に、力強く啜り、腹の中へと落としていく。まるで、これまでの苦労と達成感を、身体の芯に刻み込む儀式のようでした。そして、濃厚なソースの最後の一滴を味わい終える頃、私の長かった宿題も、ついに完了の瞬間を迎えたのです。

裏山で大地を削るプロフェッショナル。そして、デスクで課題を削りきった自分。スケールは違えど、一つの目標に向かって地道な一歩を重ねる姿は、どこか重なって見えました。一つ一つの作業が、確実に未来の景色を創り出していく。そんな仕事の尊さを改めて感じながら、達成感という最高のスパイスが効いたU.F.O.の余韻に浸る、充実した休日となりました。