一週間の仕事が終わり、安堵と共にハンドルを握る、木曜日の帰り道。 いつもの道が、今日は少しだけ違う表情を見せていました。 道路工事の現場に、ずらりと並んだ緑色のランプ。まるで未来の滑走路のように、等間隔に続く光の列が、宵闇の中へと私を導いてくれます。
安全のために設置された、ただの無機質な灯り。しかし、こうして見ていると、その規則正しさと健気な光が不思議と心に響き、一種の美しささえ感じます。今日の頑張りを労ってくれているかのような、優しい光景でした。
そんな光に導かれるようにして、我が家へ。 玄関の扉を開けると、そこにはまた別の小さな主が、静かに私を迎えてくれました。 鉢植えの葉の上に、ちょこんと鎮座する一匹のアマガエル。
何を思うのか、ただじっと動かないその小さな背中を見ていると、すーっと肩の力が抜けていくのが分かります。日中の喧騒や仕事の緊張が、この小さな生命の前に溶かされていくようです。
帰り道で出会った美しい人工の光と、我が家で待っていた癒しの緑。 なんてことない一日だったはずなのに、思いがけない小さな贈り物たちのおかげで、最高の木曜日の夜になりました。