2024.12.22
木型や砂型にはそれぞれの場所に名称がついています。
素材の表側の形を作る木型を「主型」といいます。
素材の内面の形を作る木型を「芯取(中子)」といいます。
その主型・芯取と大きく2種類に分かれた木型のさらに詳細部分があります。
芯取をセットしていく部分を「巾木」と呼びます。
巾木と呼ばれる部分には芯取がセットされるわけですが、そこの寸法はとてもシビアに決められる。
例えば、φ50の円柱の芯取があったとします。
それと主型の巾木にセットするわけですが、主型の巾木も芯取同じφ50で良いのでしょうか?
φ50にφ50が入るか入らないか、、、正解は入らないになります。
主型の巾木は少しだけ大きく製作します。下の写真を見ると丸いバリが咲いていますよね。
それだけ分を大きく製作するのです。理由は芯取が速やかにセットできるようにが一番の理由かな。
この寸法設定は木型屋と鋳物屋が協議の上で決めていきます。
巾木に遊びを作る鋳物屋と、ギリギリを狙う鋳物屋と。
ギリギリだと主型と芯取のはまり込みがきつ過ぎて砂を擦らないといけない場合もあります。
しかし反対に写真のバリが咲かない利点もあったりします。
どちらを選択するかは鋳物屋さんが最後には決めることが多いです。
お馴染みに押湯のお話しです。
写真の中にドーム型の押湯がありますね、これは通称「メクラ押湯」、最近では「ドーム型押湯」呼びます。
主型の表面より直接押湯がとれない個所はたくさんあり、芯取に押湯をセットして押湯効果を狙います。
写真のドーム押湯は芯取の中に埋め込まれておりますので、砂を除去した後に写真の砂型が確認できます。
いかに金属の収縮を予見して押湯方案をしていくかが、良いステンレス鋳物作りに大切なことなんです。
一品一品を大切に、こからも引き続き良い方案をしていきます。