社長ブログ

鋳物屋365日ブログ ~その343~

2024.12.11

鋳物を作るためには木型が必ず必要になります。
木型以外の方法もありますが、ほぼほぼ木型が必要なんです。
木型製作所があってこその鋳造所といっても過言ではない。
まだ私が若い時に見た木型職人さんは眩しかった。
今も眩しいに違いないが、昔は神々しく思えたほどです。
図面というもを見ても当時の私はチンプンカンプンで何が何やらである。
二次元の世界を頭の中では三次元に描いているのだろうなと想像することがやっとであった。
木型屋さんの頭の中はどのようになっているのか覗いてみたいと本気で思っていました。
若い私に分かり易く説明をしてくれて、自分でも図面を見る癖をつけていき今に至るわけです。
今でも図面は難しいです、この線は果たしてどこをさしているのか分からないこともあります。
年を重ねて要領はよくなったのでしょうか、経験上で想定できるようになっています。
さて写真の木型ですが、一部に丸い小さな穴が開いているのがお分かりでしょうか?
この穴は凄く重要な穴でして、その役目は丸いフランジの方向を決めているのです。
要するにフランジに向きがちゃんとあるわけです。間違えたら即鋳物不良です。
鋳物屋が間違えない様にと木型屋さんがしっかりとフォローしてくれているのです。
木型屋さんには本当に感謝しかないですね。いつもありがとうございます。

話しは変わりますが鋳物の砂は毎日大量に使用します。
鋳物砂に弊社では水ガラスを混ぜて使うのですが、混錬した砂を全て使用するわけではございません。
多少余ったりもします。余った砂は廃却せずに社内でリサイクルします。
余った砂は再生するのですが、それには少し条件があります。
砂が焼けることが再生のし易さ繋がりますので、鋳込みを行った型の上で可能な限り熱をかけます。
これで少しでも再生し易くなるわけです。表面の水ガラスが反応して砂の表面から剝がれやすくなるのです。
鋳物屋はイメージと違って社内での再生率は高いのですよ。