社長ブログ

鋳物屋365日ブログ ~その323~

2024.11.20

第一印象ってのは何も人間に限った表現ではないですよね。
様々な物や場面において無意識に心に抱く感情だと思います。
ステンレス鋳物もその対象になります。
鋳物の見た目、いわゆる目視での確認するとき、一番に目に飛び込んでくるのが「鋳肌」です。
ぱっと見は検査と少し距離がある様に思いますが、意外にも重要視される検査対象となります。
「鋳肌」はJIS規格で等級が定められており、1級~5級に区別されております。
弊社のステンレス鋳物の鋳肌等級は「1級」です。
お客様が目視で見られたときに「このステンレス鋳物は綺麗!」と感動してほしいと思っております。
第一印象は弊社の強みでもありますし、お客様にとっての安心感に繋がればと常々思っています。
安心がやがて信頼に変わるまで、しっかりと要望にお応えしていきます。
「鋳肌」にも種類があります、それは仕上げの場面や鋳込みまでの工程でする作業にあります。
例をあげますと下の写真のガウジング跡も鋳肌の対象になります。
ガウジングで押湯跡を形成した時に残るガウジングが走った跡、線上のところも等級別に分けることあります。
写真のままでの等級は恐らくですが3級~4級になります。
弊社ではこの部分は等級を1級に仕上をしてから出荷をいたします。
このまま出荷しても表面は加工で取れるのですが、加工にご負担をかけることになりますので、しっかりと対応をさせていただきます。

同じ素材の別の箇所の写真です。
この場所は押湯がないところで砂型表面そのままの鋳肌です。
ショットブラストをしたこの鋳肌でも問題はないのですが、弊社では全面グラインダー等で表面をならしていきます。
その理由の一つとして表面を滑らかにすることで表面欠陥を発見し易くするためです。
真っ白で平らな部分に墨汁が一滴落ちたなら、小さな一滴でも目立ちますよね。
それの反対でシワシワのくすんだ色の紙の上に同じ小さな墨汁が一滴、もしかしたら見逃すかも知れません。
効率ってワードが頭を過ることがりますが、まずは現場の品質にたいする意識の高さ、そしてお客様の安心が一番なのです。