2024.10.26
溶けたステンレスを「湯道」に流して素材全体に回していきます。
鋳造方案は本当に奥深くて何度方案を描いてみても完璧ってことはないですね。
単純な素材であれば良いですが、複雑な素材は湯流れを頭の中でシミュレートしなければなりません。
湯流れの鋳造解析などあれば予測は出来ますが、弊社は方案が分かる各担当の頭の中です。
さて一枚目の写真ですが、湯道が素材ボディに接続されております。
湯道とボディの接続面の前にドーム状の形がありますね。
これはドーム型押湯といって、湯道とボディの接続部分に出来る引けを回避するためのものです。
無くても良いかと思うのですが、ボディが引けてしまったら地味に辛いのです。
ドーム型押湯の活躍する場面は主に砂の中です。
姿を見るのは鋳込みが終わって砂バラシをした後になります。
この写真のドーム型押湯を設置する理由は、機械加工でドーム下に穴を開けるからです。
しっかりと押湯を効かして引け巣を作らないためです。
改めてドーム押湯を見ると、活躍している事をブログに書きたくなりました。
もう一つ写真の解説。
サイコロが引っ付いているように見えますが、これが「冷やし金」という金属です。
この部分を強制的に冷却するために使用します。
冷やし金も砂の中に埋めて使用しますので、活躍の場面をみれるのはバラシ後です。
ハンマーで叩けばポロンと取れます。
ちゃんと狙いどころがありますので、造型者はそれを気を付けねばなりません。
各担当がしっかりと対応して、良いステンレス鋳物が出来るのです。