社長ブログ

鋳物屋365日ブログ ~その288~

2024.10.16

木型の新作が出来上がったときの感動は今も昔も変わらない。
どうやったらこの曲線がでるのか、いまだに鋳物屋の私でも理解不能だ。
木目の美しさと、あらゆる線の合同作業で形になっている木型は芸術とも思える。
やはりプロの仕事を見ると刺激があります。
新しい木型に対して鋳造方案を書き込むわけですが、まずはじっくりと頭の中で考えを巡らせます。
ペンで木型に記入することを躊躇うこともしばしば。綺麗なままにしておきたい気持ちが出てきます。
とは言え、記入しないと現場も工程が進みませんので迷惑をかけてしまいます。
思い切って鋳造方案を新作木型に施して次の工程に送り出すのです。
良い造型をしてもらいなよって。

木型の中には素材になる部分と鋳造方案の部分があります。
この写真は素材と方案が移っております。
どちらも同じ木質で製作されており、とても馴染んでおります。
しかし全く違う運命を辿っていくことは明らかで、同じステンレスの湯を流し込むにもかかわらず。
素材になったステンレスと押湯として素材を生かした方案と、果たしてどちらがステンレスの湯として幸せだったのか。。。
そんなことを妄想しながら本日も良いステンレス鋳物を鋳込んでいきます。