社長ブログ

鋳物屋365日ブログ ~その230~

2024.08.20

ステンレス鋳物の工程でガウジングという工程があります。
高速カッターのように直線的に切断できない押湯部分を切断する手段となります。
溶接の様に棒を溶かして肉を盛るの反対で、溶かして吹き飛ばすがガウジングというものです。
段差があるところや湾曲部を好きな形で形成しながら不要な部分を除去できるのです。
それだけに局所部に熱が加わってしまうので少しコツがあるのです。
金属に熱が加わると「歪み」が発生するリスクがあります。
収縮が発生しますからね、その辺も考慮して熱を加えなくてはなりません。
そのコツですが、写真の様にインペラーの薄い地板にサイド押湯をセットしています。
このサイド押湯をガウジングで除去するのですが、いきなり狙いたい形を出していくと地板が歪んでしまいます。
ですので地板の外周側を残した状態でいったん仕上げるのです。

そうすことで熱もいったんは落ち着き、最小限に歪を抑えることが出来るのです。
最終的には下記の写真の様に地板を形成し、ガウジング面はグラインダー等で最終仕上げをしていきます。
インペラーの仕上げはとても時間がかかりますが、一つの素材を丁寧に常に仕上げていきます。
これからもインペラーをたくさん仕上げてきた実績を磨いて、良いステンレス鋳物を作り続けていきます。