社長ブログ

鋳物屋365日ブログ ~その185~

2024.07.05

ステンレス鋳物を鋳込むときの温度は約1650℃になります。
電気炉からでて実際に砂型に注ぎ込む直前でも1630℃前後をキープします。
それだけ高温にする理由は、ステンレス湯ながれはあまり良くなくて、高温にすることでサラサラした流体になります。
どの金属でもそうなんですが、特にステンレスの湯は粘っこいので温度を上げて湯流れをよくするのです。
複雑な形をしておりますので、湯流れをキープすることが綺麗なステンレス鋳物を作る大切な要素なるわけです。
今回のブログで紹介する写真は、あまりお見せするのは忍びないのですが良くない事例です。
写真の中央付近に鋳肌がボコボコとした部分が見て取れると思います。
この部分は砂の充填密度が弱く、表面に差し込みが発生した状態のものです。

グラインダー仕上げにより除去できるのですが、以外にも強敵なのです。
砥石が噛み込まないというか上滑りするというか、金属と砂が引っ付いている状態ですので、小さな段差に見えますが嫌な表面欠陥です。
しかし長年の経験で、どうやれば効率的に除去して綺麗に仕上げるかは、腕が分かっております。
今日もしっかりと良い仕事をして、良いステンレス鋳物作りに取り組みます。