社長ブログ

鋳物屋365日ブログ ~その178~

2024.06.28

溶けたステンレスを砂型に流し込むには、その入り口が必要になります。
鋳物用語ではその入り口を「セキ」と呼びます。
写真のどの部分かと言いますと、中央より上に向かて円柱状が伸びていると思います。
その丸い柱の様な部分が入口、セキとなります。
その入り口から溶けたステンレスが流れ込んで底辺まで落ちて、そこから二手に分かれて素材に回っていくのです。
この二手に分かれた部分を「湯道」と言います。
この表現は分かりやすいですね。

たくさんのステンレス鋳物を鋳込んでいると、これが当たり前の様に思えますが、鋳物は時には生き物だと思う時もあります。
いつもと同じようにしているつもりでも、違う鋳物が出来てしまうことがあります。
人も同じだとおもんです、普段当たり前に思っているけど心の中は違っていたりしますから。
変化に気付くことが大事なんです。
溶けたステンレス鋳物は翌日には固まっていますが、それが流し込まれている情景が鋳物を見ると浮かんできます。
今日も良いステンレス鋳物を気を引き締めて鋳込んでいきます。